コラム

ボトックス注射の失敗例・副作用を注入指導医が解説

美容医療にまつわるコラム解説
更新:2023.09.18

気になるシワを解消する『ボトックス注射(ボツリヌス注射)』はアメリカやフランス、ドイツなど世界50カ国以上で承認されている人気の高い若返り治療です。

日本国内では、ボトックス製剤が2009年に厚生労働省によって製造販売が承認され、この10年で延べ170万人が受けたと推測されており、かつ毎年120%前後でボトックス注射を受ける方が増えております。

とはいえ、はじめて受けられる方は時折話題となるボトックス注射で失敗したと思われるハリウッドセレブの写真を見て、私も同じようになってしまうのではないかと心配されると思います。そこで、ここでは自由が丘クリニックにお越しいただいた患者様からよく聞かれること、そして失敗例・副作用がどのようなものなのかを画像を交えて解説いたします。

自由が丘クリニックでは、ボトックス製剤の製造元であるアラガン社認定の注入指導医である古山登隆ドクターをはじめ、国内外問わず実績を積んでいる医師が施術を担当します。

『自然で美しい仕上がり』『安心・安全の取り組み』を日々追い求め、症例数は45,000件を超えました。

※アラガンジャパン調べ

ボトックス注射の失敗例

◎ スポック・ブロー(眉尻が不自然に上がってしまう症例)

ボトックス注射は顔の表情筋を緩めることによって、眉間や額にできる表情じわを取る治療です。
顔の表情筋は起始と停止の関係からお互いに影響し合っていますが、このバランスを間違えると、いわゆるスポックブロー(眉毛外側過度挙上)の状態です。

スポックブローの状態として、その一つにこの症例があります。

この症例は前頭筋の外側の効きが弱く、眉尻の部分が不自然に挙上しているものです。前頭筋が伸びることで眉毛の内側が下がり、また外側の眉毛は過度に挙がっています。これは前頭筋の筋腹が、外側の方が心持ち広いために起こります。そのため内側と同じ量を同じ感覚で外側に入れると、外側の効きが弱くなってしまうため、このような結果になるのです。

コツとしては、同じポイントで同じ間隔で打つならば外側を心持ちボトックスの量を多くするか、眉間と外側のポイントをつないだ中央部に1単位ほど追加のボトックスを注入することによってこのような状態を防げます。

ボトックス注射は、表情筋、余剰皮膚、シワの深さなどを見極めた上で行う治療です。ですから、スポックブローもいくつかの状態で起こります。

スポックブローを防ぐには、適応となる患者様の見極めと手技の選択が重要です。
適応に関しては、慎重に投与するべき人として、以下のような方には注意が必要です。

  • 過剰に表情筋を使用している方
  • 眉間や前額部に余剰皮膚の多い方
  • 65歳以上の方

また手技としては、前頭筋外側部への注入単位数を中央部よりやや多めに打つ、眉毛部への注入単位数を控えめにするなど、大切な点がいくつかあります。もちろん、患者様への説明も重要となってくるため、自由が丘クリニックのボトックス注射では、患者様とのコミュニケーションを大切にしています。

◎ 表情の喪失

次にボトックス注射による失敗のケースとして、ほうれい線に対してボトックス治療を行った場合の変化をご説明します。

ボトックスを誤った箇所に注入してしまうと、筋肉が緩み、表情筋がうまく働かなくなることで、表情がなくなります。
以下の写真は、ボトックス注入指導医である古山登隆ドクターが「表情の喪失」の失敗例をご理解いただくために、自身のほうれい線へあえて誤った注入をしたものです。

ご覧になっていただければ分かる通り、上顔面は通常の笑顔となるよう筋肉が働いているのに対し、下顔面は筋肉がほとんど動かず、全体として見るととても不自然な印象の表情になっています。

この変化は先のスポックブローの失敗に対し、日常生活への支障が大きいので特に注意が必要です。
基本的に、ほうれい線は表情筋によって起こるシワではありません。ほうれい線はいわゆる頬の脂肪(メーラーファッドパット)が下垂してくることによって起こる溝ですから、表情筋によるシワを取るボトックス注射では改善の効果が望めないのです。

一部の本ではほうれい線を取るために小鼻の横にボトックスを打つ方法が記載されているものもありますが、その位置に打ってしまうと上口唇挙上筋、口角挙上筋、小頬骨筋にボトックスの効果が波及し、上唇部が外側から伸びきってしまうため、笑うとドナルドダックのように引きつった笑顔です。

また、静止時は鼻の下が伸びきるため、加齢現象による鼻下部の延長とは異なる、いわゆる「おちょぼ口」のようになってしまうのです。

ただし、下顔面へボトックスを打ってはいけないという訳ではありません。ボトックスを下顔面に打つ場合には、口角を挙上するための打ち方、うめぼしあごを取るための打ち方、下くちびるの下に起こるシワを取るための打ち方、マリオネットラインを取り口角を上げるための打ち方があります。

しかし注意しなければいけないことは、この4つのうち2つ以上を同時に行うと、口唇に対する違和感が出たり、また飲み物を飲んだ時に、口元から水分がもれたりなどということが起こり得ます。
また、口唇の縦ジワのシワを取ろうとしてボトックスを口輪筋に強く効かせてしまうと、ストローが使えなかったり、飲み物が飲めなくなったりしてしまいます。

◎ 注入後の修正は非常に困難

ボトックスは表情ジワの改善に対しては極めて有効な治療法です。しかし未熟な技術と知識しかもたないドクターが治療を行うと、合併症や無愛想な表情になってしまうリスクがあります。

このような失敗が起こってしまった場合、経過観察でボトックスが消えるのを待つしか方法がありません。ボトックスは通常半年程度で効果が切れ、注入前の状態へ戻るからです。しかし、あまりにもひどくてなんとかしたいという方のために、当院では独自の修正術でボトックスの失敗を改善する治療も行っています。

ただしこれも、ボトックスの注入箇所や失敗の度合いによっては「ある程度元の状態へと近づけられる可能性がある」という程度のものとご理解ください。一度注入してしまったボトックスを後から修正することは非常に困難なので、クリニックを選ぶ際は確かな技術と豊富な経験を持つドクターに施術を行ってもらうことが最も重要です。

 

ボトックスの副作用

これまで失敗例について書いてきましたが、ボトックス製剤自体の安全性や気になる副作用についてお話します。

実は、ボトックス製剤自体の副作用というのは、上に挙げた失敗例のように効きすぎによるものがほとんどです。表情筋が過度に緊張する、もしくは緩むことによって、まぶたが下がったり、逆につり上がったりすることはありますが、ボトックスは時間の経過とともに効果が薄れてくるため、よほど量が過剰であるとか、注入部位が大きく間違っている場合でなければ、1ヶ月ほどで症状は落ち着きます。

他に考えられる副作用として、注射による内出血や腫れなどがあります。こちらは、注射針が細い血管に当たってしまうことによって起きる可能性があり、熟練した注入技術を持つ医師でもかなり低い可能性ではありますが、内出血が生じてしまうことがあります。この内出血は、通常1週間程度で消失しますが、その間、コンシーラやファンデーションなどでカバーすることが可能です。

安心安全なボトックス注射のために
自由が丘クリニックの取り組み

1注射指導医が担当

40,000件を超える豊富な症例数と技術力が評価され、古山登隆ドクターは、日本では数少ないボトックス注射注入指導医に選ばれており、かつ、古山ドクターは、その注入指導医の中でヘッドファカルティー(Head Faculty)を務めております。
2019年に開催されたボトックス製剤10周年シンポジウムにおいても、古山ドクターは眉間の表情じわについての診断技法の講演を行いました。
その注入指導医が、カウンセリングから施術までを担当しますので、安心してお受けいただくことができます。

2カウンセリングを重視

自由が丘クリニックは、カウンセリングを大切に考えております。患者様のお悩みやご希望を伺い、どのような施術を行うか十分に説明いたします。 また、料金や使用する製剤についても説明をし、ご納得いただいた上でボトックス注射を行います。

3厚生労働省承認製剤のみを使用

自由が丘クリニックでは、日本で唯一製造販売承認を取得している安全性の高いアラガン社製のボトックス製剤を使用しております。 また、スタッフ全員が衛生管理や点検作業を徹底し、日々の安全管理を意識して行動しています。

4大学病院との連携

自由が丘クリニックは、大学病院との医師、技術、知識の交流を積極的に行っております。北里大学病院や東京女子医科大学などと技術提携することで、最新のボトックス技術を常に取り入れています。 また、豊富な臨床とノウハウの蓄積が評価され、群馬大学と共同でボトックスによる肩こりや腰痛の臨床研究も行っております。

関連記事