医学の発展に伴い、人間の寿命は遥かに長くなりました。そして寿命の延長に伴い生じる老化は顔や肌、姿勢や歩き方、髪など、“見た目”にも大きく影響が現れることは、誰もがご存知の通りです。
しかし、この“見た目”に現れる老化は、実は染色体上の「テロメア」という部分の長さと関連する可能性が示唆されています。
テロメアは加齢により短縮する部分であることから「命の回数券」とも呼ばれています。
国立病院、都立病院などで形成外科医として経験を積み、2020年より自由が丘クリニックで形成外科部長として勤務している古山恵理医師。
約3年間アメリカで生活、現地の美容医療についても学び、2024年4月帰国し診療再開。日本形成外科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医。
新年度が始まり、新たなスタートを迎えるこの機会に、今回はアンチエイジングとの向き合い方について、医学的な視点からお話ししていきたいと思います。
医学の発展に伴い、人間の寿命は遥かに長くなりました。そして寿命の延長に伴い生じる老化は顔や肌、姿勢や歩き方、髪など、“見た目”にも大きく影響が現れることは、誰もがご存知の通りです。
しかし、この“見た目”に現れる老化は、実は染色体上の「テロメア」という部分の長さと関連する可能性が示唆されています。
テロメアは加齢により短縮する部分であることから「命の回数券」とも呼ばれています。
70歳以上の1826人の双子を対象としたこの調査では、実年齢、性別、環境を調整した後でも、見た目年齢は生存率と深く関連した事がわかっています。
さらに、この双子のペア内の見た目年齢の不一致が大きくなるにつれ、年上に見える方の双子が最初に死亡する可能性が高くなりました。
DNA配列が同じ双子でも、見た目年齢と関連して、余命が異なるというのは大変興味深い結果です。
*参考:CHRISTMAS 2009: YOUNG AND OLD Perceived age as clinically useful biomarker of ageing
URL: https://www.researchgate.net/publication/40686113_CHRISTMAS_2009_YOUNG_AND_OLD_Perceived_age_as_clinically_useful_biomarker_of_ageing_cohort_study 2025年4月27日
この見た目老化に大きく影響する因子としては、下記などが挙げられます。
また、老化は骨や筋肉、血管など直接見えない体の全ての部分でも生じていきます。その中で、アンチエイジング的に、最近特に注目されているのが『骨盤底筋群』。
骨盤底筋群は、女性の場合、子宮、膣、膀胱、尿道、直腸といったデリケートな臓器を支える重要な筋肉のことです。
男性の場合、膀胱や腸を支え、性的な機能にも関係しています。
この部分は、スポーツジムに行ってもなかなか鍛えづらい部分でしたが、最近は、医療機関で手軽に鍛えることが可能になり、この方法が広く普及しつつあります。
医療機関で鍛える(治療する)方法は、服を着たまま椅子に座るだけなので、とても簡単。
電気刺激(EMS)と違い、磁気パルスを使用した高強度テスラ磁気刺激(HITS™)は、身体内部で電気信号を発生させるので、衣類、皮膚、骨などに影響はなく、体に負担を与えずにインナーマッスルを刺激することができます。
また、陰部神経や仙骨神経などの神経系にも作用するので、排尿をつかさどる膀胱利尿筋肉の異常収縮を改善できます。
治療により、骨盤底筋群や骨盤周囲の神経系が鍛えられると、尿失禁、特に骨盤底筋群のゆるみが原因で、笑いや咳などのちょっとした動作の際に、お腹に力がかかると尿が出てしまう、腹圧性尿失禁(SUI)タイプの方に効果的です。
他人には言いづらいものの、実はこのようなデリケートな悩みをかかえている方は大勢いらっしゃいます。
今回説明させていただいたように、常に新たな対処法も出てきていますので、興味がある方は医療機関にお話を聞きに行ってみてはいかがでしょうか。治療は継続して行う方が効果の発現も維持も良くなります。
自由が丘クリニックでは、高強度テスラ磁気刺激(HITS™)を用いた、先述の服を着たまま30分座るだけの治療をご用意しております。悩む前から治療を始める方もいらっしゃいますので、ぜひお気軽にご相談ください。
ヒト老化の75%は環境因子。今後、認知機能改善や健康増進など、さらに健康寿命を伸ばす取り組みが、医学的にも活発になってくるでしょう。ぜひ、これからも注目していてください。
形成外科・美容外科。 杏林大学医学部卒業、日本形成外科学会専門医。 古山理事長のDNAを受け継ぎ形成外科医となる。東京医療センター形成外科で経験を積み、注入とデバイスによる治療に精通し、注力している。