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古山恵理医師コラム「さまざまな肌乾燥の原因。肌の仕組みから対処法まで」

美容医療にまつわるコラム解説
2024.11.20
古山恵理医師 美容医療コラム

国立病院、都立病院などで形成外科医として経験を積み、2020年より自由が丘クリニックで形成外科部長として勤務している古山恵理医師
約3年間アメリカで生活、現地の美容医療についても学び、2024年4月帰国し診療再開。日本形成外科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医。

肌乾燥の原因とは

日に日に空気が乾燥してきたことで、今年も冬が近づいてきたのだと実感します。屋内では暖房によって、さらに空気が乾燥しますね。そんな季節の1番のお悩みは、やはり肌乾燥です。

人の身体はよく出来ていて、肌は環境からのストレスに常に対応しています。具体的には肌の表面が気候に合わせて変化し、肌を守ってくれる仕組みになっていると言われています。しかし、国土交通省の発表によると、東京の11月の湿度はこの50年間で10%程度低くなっていて、温暖化の影響は人の肌にも生じている可能性があると言えそうです。現代人の肌は、より強く乾燥の影響を受けていると考えられます。

さらに、環境だけではなく、加齢による影響も無視できません。皮脂量は年齢とともに変化し、女性は45歳ごろから減少。特に高齢者では皮脂欠乏状態が顕著となります。

その他、石鹸などの界面活性剤や入浴で皮脂が溶かされるなど、環境因子によっても皮膚の乾燥が助長されます。

バリア機能を整え、肌を守る

肌のバリア機能

さて、ここで肌を守る角質が持つバリア機能を説明していきます。バリア機能には、大きく分けて2つの働きがあります。
1つは体内の水分の蒸散を防ぎ、皮膚の水分量を保つ作用。そしてもう1つは、ダニ、ほこり、花粉といったアレルゲンの侵入を防ぐ作用です。

肌のバリア機能

多くの人が持つ食物アレルギーですが、実はアレルゲンを食べたことが原因で生じるのではなく、バリア機能障害のある皮膚からのアレルゲン感作により生じると考えられています。これは、大学の皮膚科学の授業で初めて聞いた際に、衝撃を受けた事を覚えています。つまり、皮脂分の少ない赤ちゃんにもバリア機能の破綻が起こりやすく、破綻した皮内にアレルゲンが触れて侵入することで、食物アレルギーが起きる可能性があります。一見しっかり潤っている赤ちゃんの肌も、正しく保湿することが大事です。

バリア機能を整えるには

バリア機能の低下や傷ついた皮膚の機能を回復させるために大切なことは、スキンケアです。保湿剤によって乾燥を防ぎ、セラミドなど角質細胞間脂質層の成分である脂質を補って、皮膚バリアを補強することが有効です。(それ以上進行し、湿疹になってしまうと病院を受診する事になります。)

肌質や状態はそれぞれ違いますので、自分にあうスキンケア用品を探すためにいくつか提案があります。
実際、基礎化粧品を探す際に、他人のクチコミだけではその人と自分で肌質も異なるため、合うものを見つけるには難しいことも多いです。
そのため、サンプルを使って自分の肌で判断する、または季節ごとに肌診断をして肌の状態をチェックし、今の自分の肌に安心して使えられるものを見つける、という方法があります。
不調を無視せずに、その都度、出来る対応をしていくことが大切です。

また、自由が丘クリニックで行っている肌育治療(スネコス®パフォルマプルリアル デンシフィア シリーズ水光注射)がおすすめです。気になる方はぜひご相談下さい。

古山恵理

形成外科・美容外科。 杏林大学医学部卒業、日本形成外科学会専門医、サーマクール認定医。 古山理事長のDNAを受け継ぎ形成外科医となる。東京医療センター形成外科で経験を積み、手術はもとよりレーザー治療から再生医療までもこなす。特に女性特有の悩みについての治療に精通し、注力している。

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