美容医療の技術変化は日進月歩である。ヒアルロン酸注射やボツリヌス注射による注入治療においてもトレンドは目まぐるしく進化している。そのトレンドを創り出す世界トップクラスのドクターたちが、自由が丘クリニックに集結した。
現在の注入療法の世界的主流『ナチュラルルッキング=さりげない若返り』も彼らを中心に提唱されたものである。
今回、最先端の注入技術の理論と手技を披露するため上級者のドクターを集めて、解剖学とトータルフェイシャルトリートメントのアドバンステクニックセミナーが開催された。 世界をリードするドクターの卓越した理論と技術に、参加されたドクターたちの熱い視線が注がれた。
注入療法の世界的権威が自由が丘に集結
この10月28日に注入療法のアドバンステクニックセミナー『AMI Japan Faculty Train the Trainer』が自由が丘クリニックの4Fセミナールームにて開催されました。
安全・安心な注入治療を行うための解剖学をより深く知ることと、その人の持っている美しさを最大限に引き出す『トータルフェイシャルトリートメント』を実践するための、よりハイレベルな内容のセミナーです。
特筆するのは、注入療法の世界トップクラスのドクターが来日したことです。カナダからヒアルロン酸注入の権威であるドクター・アーサー・スウィフト、インドから顔面解剖学のエキスパートである、ドクター・クリシャン・モハン・カプールです。この二人の講義とアセスメント(治療前評価)、そして実際の注入が、ヘッドファカルティ(注入指導医リーダー)として座長を務めた自由が丘クリニック古山登隆ドクターの進行で行われました。
来場されたドクターは20名ですが、いずれも注入療法では上級者レベルのドクターたちで、少人数ながら世界最先端の注入理論と技術を間近で触れることのできる非常に質の高いセミナーとなりました。
古山ドクターとドクター・スウィフトは国内外で数多くのセッションを重ねており、今回も旧知の間柄として息の合った進行となりました。
これからの注入療法に不可欠な顔面解剖学
注入治療は皮膚の上から針を刺します。当然ながら体内の構造を目で見ることはできません。それゆえその構造を頭に刷り込んでおく必要があります。
傷つけてはいけない重要な血管や神経の位置、どの筋肉がどのような役割を果たして動いているのかなど、顔面内部の構造を熟知している必要があります。この知識が未熟だと、思わぬリスクが往々にして発生することがあります。注入治療はその手軽さで受ける人 も増加の一途をたどっています。しかし、「手軽=絶対に安全」ということではありません。正しい解剖学の知識があってこそ、初めて安全・安心な注入治療が行えるということを肝に銘じておかなければなりません。
顔面解剖学の世界的エキスパートであるドクター・カプールの講演で、来場されたドクターも改めてその重要性を再認識したことと思います。ドクター・カプールの豊富な解剖の経験から語られる理論は、これから益々進化していくであろう注入療法のまさに礎といえるのではないでしょうか。
美の基準=1:1.618
今の注入療法の世界的なトレンドは『ナチュラルルッキング』です。その人が持っている根本的な美しさを最大限に引き出し、より自然に若々しく・美しく、を目指す手技です。これはただ単にしわを消す、溝を埋めるといった部分的治療だけではなく、バランス を見ながら顔全体の治療をする『トータルフェイシャルトリートメント』によって叶えられます。ボリュームの喪失や下垂といった老化のメカニズムを考慮し、ボツリヌス注射とヒアルロン酸注射を組合せて、顔全体でのしわ・たるみ治療を行います。
ドクター・スウィフトはトータルフェイシャルトリートメントに絵画やデザインで古来より使われる黄金比率=1:1・618を取り入れ、バランスを重要視してその人のベストを取り戻す治療を提唱しています。トータルフェイシャルトリートメントでは解剖の知識に加え、どの部位にどのように注入することが、その人の最もバランスのとれた美しさを引き出すことができるかを判断する技量が必要とされます。その一つの基準が1:1・618という数値です。
今回のセミナーにおいて披露された最先端の顔面解剖学と数値化されたバランス美を取り入れた治療理論は、安全・安心な治療を行うことはもとより、より満足度の高い治療を行うために、来場されたドクターに大きな指針となったことでしょう。