大慈弥裕之医師インタビュー

美容医療にまつわるコラム解説
2021.11.01

まぶたのたるみや眼瞼下垂を担当する大慈弥裕之ドクターは、福岡大学医学部形成外科の前主任教授として多くの臨床研究に携わり、特に眼瞼下垂に関しては独自の画像解析ソフトを開発するなど、多数の学会発表も行ってきました。形成外科専門医であり美容外科専門医(JSAPS)でもある大慈弥ドクターに、今までのご経験や自由が丘クリニックで行うこと、目もとの悩みをお持ちの方へのメッセージなどをお聞きしました。



形成外科医の道へ

海野
先生は形成外科医ですが、形成外科はどのような診療を行う科目でしょうか。
大慈弥
形成外科とは、外傷や先天異常、腫瘍切除などで失われた形態を、その機能も含めて形成・再建する外科です。患者さんのQuality of Life(生活の質)を上げ、見た目をできるだけ自然に整えることを目標としています。日本では1960年に東京大学付属病院で発足したのが最初の、比較的新しい診療科です。
海野
形成外科医になられたきっかけはあるのでしょうか。
大慈弥
私はもともと美術やモノを作ることが好きだったので、医師となってもそれを生かせたらと考えていました。医学部5年生のときに東京警察病院の形成外科を見学し、大いに興味を持ちました。

大学卒業後は防衛医科大学皮膚科を経て、北里大学病院形成外科に入局しました。その時の教授が現在も自由が丘クリニックの特別専門外来を担当しておられる塩谷信幸先生でした。塩谷先生は日本の形成外科の草分けの一人で、アメリカで形成外科医となり、北里大学形成外科の初代教授でした。

卒業後は教育として麻酔科、救命センター、外科でも学び、1990年に出身大学である福岡大学医学部に移り、整形外科内に設置された形成外科で診療をはじめました。


大学病院での実績

海野
大学病院ではどんな治療や研究をされてきたのでしょうか。
大慈弥
福岡大学病院では1996年に形成外科の診療科が設置され、2007年には医学部形成外科学が開講して主任教授となりました。先天異常から美容医療まで幅広い領域の治療・研究を行いましたが、中でも福岡大学の代表領域として学外からも認めていただいたのが、眼瞼下垂、小児形成外科、(乳がん手術後の)乳房再建術、頭蓋顔面外科です。

たとえば乳房再建では、形成外科の「マイクロサージャリー/微小血管外科」の技術を応用して、より安全で美しい乳房再建術を行なってきました。また、2012年には日本形成外科学会と日本乳癌学会が合同で乳房再建に関する研究を行う、日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会の設立に関与し、ブレスト・インプラントを適正に患者に使用するガイドラインの作成に委員長として関わりました。

小児の先天異常の口唇口蓋裂(兎唇)の治療では、形成外科、耳鼻咽喉科、歯科口腔外科、そして矯正歯科でチームを編成し、出生直後から顔面成長が終わる10代後半まで、成長に合わせて専門家が連携する治療を継続することができました。

形成外科の治療は患者さんの生活の質だけでなく、人生の質にまで影響を及ぼします。安全で、合併症が回避でき、見た目が自然な仕上げの治療を行うことは形成外科が重視し、追及するところです。


まぶたのたるみ治療

海野
自由が丘クリニックではまぶたのたるみや眼瞼下垂治療を担当されていますね。
大慈弥
私は抗加齢医学の研究も行なってきました。目の周りは老化による変化が大きく、美容医療を希望する方も多い部分です。皮下の構造や老化の進行プロセスなどは近年かなり解明されてきましたが、人種によっても構造は違いますし、日本人でもまぶたの厚い一重と二重まぶたとでは多少違います。

老化の進み方も個々で違いますから、解剖や治療で得た経験の整理を進めているところです。日本人に向く、よりよい術式は引き続き追及していきたいと思っています。
海野
診療の際に気をつけていることはありますか。
大慈弥
目もとの特徴として、左右の差異が目立つということがあります。一般の方でも左右のまぶたの開きが1ミリ違えば気付きます。ですから、左右差は0.5ミリ以下の差にとどめないと患者さんには満足していただけません。初診時のカウンセリングをしっかりして、その方本来のバランスや表情癖の影響なども確認することが必要です。

とはいえ、患者さんは診察時には多少緊張しているもので、頑張ってまぶたを開けていることもあります。それが手術プランのズレとなり、仕上がり影響することにもなるので、できるだけリラックスしてふだんの表情でいてもらえるように心がけています。
海野
眼瞼下垂の症状にはどんなものがあるのでしょうか。
大慈弥
まぶたは、加齢によって誰でも垂れてくるもので、まぶたが重く感じるようになったり、視野が狭まって物が見えにくくなります。無意識に眉を持ち上げてまぶたを上げるようになるため、頭痛や首、肩のコリという症状も出てきます。

ですが、その自覚がない方も少なくありません。20年ほど前までは「老化」と片付けられていましたが、まぶたが開きづらく視野が狭まってものが見えにくい症状は視野機能の低下によるものです。

私たちは2014年に福岡大学形成外科で眼瞼下垂の画像解析ソフトを開発しました。患者さんの眉毛と上まぶたの縁を正確に計測し、数値を統計解析することで新たな知見が得られ、より精度が高い手術が可能になりました。

眼瞼下垂の原因はまぶたの皮膚の伸びだけでなく、皮下の眼瞼挙筋腱膜が伸びることで、目をこすったりコンタクトレンズの物理的な刺激も影響することがわかっています。まぶたが下がってきた、物が見えにくいと感じたら、専門医の診断を受けることをおすすめします。


大学病院から自由が丘クリニックへ

海野
自由が丘クリニックに入られたきっかけは何だったのでしょうか。
大慈弥
2021年に管理業務も多い大学教授を退任したことで、再び形成外科医として診療に専念できることになり、喜びをかみしめています。自由が丘クリニックは、北里大学病院形成外科時代の同期レジデントだった古山登隆理事長が率いる、美容医療のスペシャリストが多く在籍している美容クリニックです。

長年通われている地元の患者さんも多く、美容医療が多くの方のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)の維持に関わっていることがわかります。また、若手の形成外科医や、形成外科以外の出身で美容医療に携わる医師への教育も行っていることも特徴で、長年大学病院で形成外科の研究と教育に携わってきた私の経験が活かせるのではないかと思いました。

私の住まいは福岡で、週末には父の介護も行っています。私は朝食を作る係なんですよ。抗加齢医学会にも所属しているので、アンチエイジングには運動と栄養がいちばん大切なことも知っています。私自身、年齢が上がるにつれ、筋力や心肺機能の維持のため運動の必要性は身にしみてわかってきました。自由が丘駅からクリニックまではちょうどいい上り坂という環境も素晴らしいですね。
海野
これから自由が丘クリニックで行いたいことはありますか。
大慈弥
まぶたの治療はもちろんですが、形成外科医が美容医療を学べる場を作りたいと考え、古山理事長とともにNPO法人 自由が丘アカデミーを立ち上げました。大学病院では経験できない教育施設を目指しています。

若手の形成外科医はもちろん、他科出身の医師にも学んで理解してもらえれば、美容医療の発展にもつながるでしょう。日本の美容医療の転機にもなると思っています。


最後に

海野
最後に目もとのお悩みがある方へメッセージをお願いします。
大慈弥
特に眼瞼下垂の場合、物の見え方や生活の質を改善する目的で治療を行いますが、皮膚や腱膜のたるみが改善されるので見た目も若くなる、という副次的な効用が得られます。

それが「見た目の改善」の治療と受け取られて治療を迷う方もいらっしゃいます。しかし眼瞼下垂は年齢とともに進行し、首や肩の凝りも続きますから、気になる症状があれば、まずは気軽にご相談にいらしてください。現状をきちんと診断し、ご希望をお聞きしながら治療法を提案いたします。

その方に合った、より良い治療計画を立てるために、率直に、どこをどうしたいかを伝えていただきたい。遠慮などせず、なんでも話してくれるのがいいんです。医療ですからリスクがゼロとは言いませんが、万が一好ましくない結果が生じた場合でも適切な対応を行います。

医者にとって、患者さんに喜んでもらうことが最大の喜びです。私自身、喜びある医師人生をこれからも送りたいと願っています。
大慈弥裕之
大慈弥 裕之

形成外科専門医。
前福岡大学形成外科教授であり、眼瞼下垂研究をとおして美容外科や抗加齢医学の発展に尽力してきたドクター。研究成果に基づいた精度の高い眼瞼形成術を目指している

海野由利子
海野 由利子

出版社の女性誌編集部でファッションと美容を担当したのち89年に独立。美容の分野で医療機関や医師にも取材範囲を広げ、99年からは美容医療の取材を体験を含めて続けている。
抗加齢医学会会員/加齢画像研究会会員

医療法人社団 喜美会自由が丘クリニック
〒152-0023 
東京都目黒区八雲3-12-10パークヴィラ2F・3F・4F
TEL:0800-808-8200/03-5701-2500
電話受付 : 9:30~19:00
診療時間 : 10:00~18:00/年中無休

※当院は予約制となっております。
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