国立病院、都立病院などで形成外科医として経験を積み、2020年より自由が丘クリニックで形成外科部長として勤務している古山恵理医師。
約3年間アメリカで生活、現地の美容医療についても学び、2024年4月帰国し診療再開。日本形成外科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医。
数年前から大きく注目されている、レチノール化粧品。シミ、シワ、ハリが出るために人気です。 ご質問をいただくことも多いので、今日はレチノールとその仲間について、説明していきたいと思います。
レチノールとは一般的にはビタミンAのこと。ビタミンAは鶏レバー、うなぎ、にんじん、ほうれん草などに多く含まれています。化粧品に配合されるレチノールは安定化のためにパルミチン酸レチノールの形になっているが多いです。パルミチン酸レチノールは紫外線を防御する効果もあり、光老化対策にも。
ですので、普段からしっかりとパルミチン酸レチノールを肌に貯蓄することが大事になります。
作用の際にはパルミチン酸レチノール→レチノール→レチナール→レチノイン酸(トレチノイン)と形を変えていきます。
生理活性の強さは、レチノイン酸(トレチノイン)が最大。レチノールの数十倍の強さなので、化粧品への配合は認められておらず、処方薬になります。
この、レチノイン酸は古くからシミやシワに対して、美容診療で処方されています。肌の赤みやひりつきなどを生じることが多く、事前にその反応をしっかり説明されていても、実際、生じると不安になられる方もいらっしゃいます。
最近自己輸入される方もいらっしゃるようなのですが、自己判断で高すぎる濃度を使ったりするのは、やはり危険です。
また治療中、休薬や濃度変更も行うことがありますので、医師の管理が必要な成分になります。
一方で、パルミチン酸レチノールは肌に含まれるビタミンAの約80%ほどで安全であるため、化粧品でもよく使用されています。 この化粧品配合のパルミチン酸レチノールは、安心して使えるというメリットがあります。
このレチノール系の効果としてはシミ、シワ、毛穴、ニキビなど。線維芽細胞の活性化によるエラスチンの質の向上、コラーゲン・ヒアルロン酸・グリコサミノグリカンの生成、肌のターンオーバーの促進、皮脂分泌の正常化、保湿など。
とにかく肌を元気にしてくれるような様々な作用が知られています。
また、天然のレチノールと言われることもあるバクチオールは、効果は似ていますが積み上げ型の美容成分のイメージです。
バクチオールの特徴としては抗酸化作用が強いことと、刺激感が少ないこと。毎日コツコツ使い続けることで、こちらも肌の土台を安定させ、年齢に左右されない肌を作りあげることができます。
これらの化粧品は30代以降の方におすすめ。成分や肌の状態によっては、使い始めに肌がカサつくこともありますが、肌にビタミンAが貯蔵されてくると落ち着いていきます。
年齢や、紫外線などの影響を受けづらい肌を目指して、スペシャルケアとして追加することがおすすめです。また、レチノールは基本的には夜の使用が推奨されます。そして紫外線対策効果があるとはいえ、日中の日焼け止めはもちろん必須。
レチノール化粧品は、さまざまなメーカーが出していますので種類が沢山ありますが、選ぶときには、ナイアシンアミド、ビタミンCなど、配合されている成分にも注目して選ぶと良いと思います。
注意点としては、使っているものの強さや肌の状態も関係しますが、レーザー治療前、数日の休薬が必要なことがあります。レーザー前に数日の休薬を推奨するクリニックもありますので、使用中の方は、できれば事前にクリニックに確認をしましょう。
自由が丘クリニックでもシミ・シワ・ハリに効果のある様々な施術を行っております。肌の再生医療である真皮線維芽細胞療法や高濃度W-PRP療法、注入治療の水光注射(ダーマシャインプロ)、エステメニューのリジュビネーション プレミアムケアなどなど。
ご希望にあった施術をご提案いたしますので、ぜひ一度ご相談ください。
形成外科・美容外科。 杏林大学医学部卒業、日本形成外科学会専門医、サーマクール認定医。 古山理事長のDNAを受け継ぎ形成外科医となる。東京医療センター形成外科で経験を積み、手術はもとよりレーザー治療から再生医療までもこなす。特に女性特有の悩みについての治療に精通し、注力している。