国立病院、都立病院などで形成外科医として経験を積み、2020年より自由が丘クリニックで形成外科部長として勤務している古山恵理医師。
約3年間アメリカで生活、現地の美容医療についても学び、2024年4月帰国し診療再開。日本形成外科学会専門医、日本抗加齢医学会専門医。
頭皮トラブルといえば男女ともに注目度が高いのが薄毛に関してです。薄毛の原因は男性と女性で異なることをご存じですか。今回は薄毛の原因についてお話ししたいと思います。
男性の薄毛(AGA)、女性の薄毛(FPHL)の原因はそれぞれ下記が挙げられます。
ホルモンバランスは、体内のさまざまな機能を調整する重要な役割を果たしています。
特にエストロゲンとプロゲステロンといった女性ホルモンは、髪の成長サイクルに大きな影響を与えます。エストロゲンは髪の成長を促進し、休止期から成長期への移行を助けます。
また、髪の寿命を延ばし、毛包の健康を維持する働きがあります。閉経後はエストロゲンが減少し、髪の成長サイクルを乱し髪が薄くなる原因となります。
プロゲステロンはエストロゲンの作用を補完し、髪の成長を支えます。プロゲステロンのバランスが崩れると、髪の成長に影響を与えることがあります。
閉経期にはエストロゲンとプロゲステロンの分泌が大幅に減少します。このホルモン減少は、髪が細くなり抜け毛が増える原因となります。
妊娠中はエストロゲンのレベルが高くなり、髪が厚く感じられることがありますが、出産後にはエストロゲンの急激な低下が起こり、一時的に大量の抜け毛が発生することがあります。
ホルモン避妊薬はエストロゲンとプロゲステロンを調整するため、使用の開始や中止がホルモンバランスに影響を与え、髪の状態にも影響を及ぼすことがあります。
甲状腺ホルモンの過剰分泌(甲状腺機能亢進症)や不足(甲状腺機能低下症)は、ホルモンバランスを崩し、髪の成長に悪影響を与えることがあります。
慢性的なストレスは、コルチゾール(ストレスホルモン)の分泌を増加させ、ホルモンバランスを乱します。これが髪の成長サイクルを乱し、薄毛の原因となります。
男性と女性の薄毛対策は共通点が多いものの、ホルモンバランスの違いや薬剤の適用範囲の違いにより、アプローチに違いがあります。気になる方は、ぜひご相談にいらしてください。
形成外科・美容外科。 杏林大学医学部卒業、日本形成外科学会専門医。 古山理事長のDNAを受け継ぎ形成外科医となる。東京医療センター形成外科で経験を積み、注入とデバイスによる治療に精通し、注力している。