大学病院や一般病院で、形成外科・美容外科の診療経験を積み、2024年4月より自由が丘クリニック院長に着任した秋本峰克医師。自由が丘クリニックでは主に鼻、目、フェイスリフト、骨格の美容医療手術を担当している。日本美容外科学会(JSAPS)専門医をはじめ資格も多く、知見の広い医師。
「不老不死」はいつまでも若くて死なないという意味でしょうか。
古くは中国の始皇帝も求めたとされ、日本にも不老不死にまつわる逸話も多く存在します。
それぞれの価値観によっても不老不死、アンチエイジング、ウェルエイジングに対するイメージは変わるものです。
トレーニングで鍛えた筋肉や骨は若々しく、いつまでも若者並みの筋力と、骨密度を保ちます。
保険診療で認められた骨粗鬆症治療薬、更年期症状やホットフラッシュに対してのホルモン治療薬は、いわば組織が老化していくことを遅らせる(言い過ぎれば若返らせる)治療でもあります。
加齢によって変化した臓器や、損傷された組織を修復することは人間の体では常に起こっていることでもあります。年齢に応じて体が変化していくことによって老いを感じ、体を維持、または修復することで若さを保つことにつながります。
変化を最小限にして、変化以上の修復をすることで若返りが実現するかもしれません。
人間の体には「色々な細胞に分化」し、増殖してもまだ分化する力を持った幹細胞(かんさいぼう)が存在します。「分化」とは「役割がはっきりと決まること」で、「色々な細胞に分化する」ことは複数の役割を担当できる可能性があることです。
全身のあらゆる組織に幹細胞は存在します。
日本ではすでに幹細胞を投与する治療がごく僅かですが保険適応になっています。
自分の細胞や他人の細胞を利用する治療が承認されています。幹細胞治療の有効性を確認する検証は厳しい基準で行われ、国が認めた保険診療でも多くの治療薬が一千万円以上の価格に定められています。
幹細胞を利用した治療は自由診療で行われているのが現状で、国が設置承認した機関が安全性の確認を行なっています。
有効性の確認がされた保険適応の治療とは別の枠組みの治療といえます。「じゃあ、安全じゃないの?」という声も聞こえてきます。
有効性が認められた保険適応の治療(投薬、手術、処置)でも副作用や合併症は起きます。未承認の薬剤、機器、材料を用いた美容医療も多くのクリニックで行われています。
ヒアルロン酸やボトックス注射でさえも国が承認した製品は僅かです。新しい治療方法は患者さまと医師の間で納得のいく説明と、疑問に対する答えの中で決めていくことが重要です。
幹細胞は全身に存在しますが、骨髄や臍帯や皮膚に存在します。
実は脂肪にも存在します。脂肪に含まれる幹細胞は増殖する力も高く、培養の技術も実績があり確立もされています。
へその下の1・5センチメートルを皮膚切開し脂肪をとります。国から認可を受けた施設での細胞培養(細胞を増やす)を行い、約1ヶ月後に増えたご自身の細胞を点滴で戻します。
自分の細胞ですので拒絶反応の心配は極めて少ないです。幹細胞は必要とされ維持される場所(ニッチ)に導かれる特徴があり、それをホーミングと呼んでいます。
幹細胞が必要とされる場所で、いろいろな細胞に分化することで様々な効果を期待する治療方法です。いつの時代も新しい治療が生まれます。
幹細胞治療がどのような修復をもたらしてくれるのか?どのくらい体を維持してくれるのか?治療を受けて患者さまがどのように感じていただけるのかを明らかにしていくことも治療を提供する我々の使命でもあります。
解明されていない事もたくさんあります。自由が丘クリニックは約30年間にわたり新たなチャレジを繰り返してきました。
日々の研究、安全への配慮、スタッフ間での情報共有に取り組み、安心して最善の医療を受けていただけます。
秋本院長が再生医療の提携施設の「九州再生医療センター」を訪問しました。
九州再生医療センターは、再生医療を安全に堅実に行っている国内トップクラスの幹細胞培養加工施設です。
形成外科・美容外科。
北里大学医学部卒業、日本形成外科学会専門医、日本美容外科学会(JSAPS)専門医、医学博士。国立病院機構相模原病院形成外科美容外科部長を経て2024年4月に自由が丘クリニック院長に就任。