秋になると、「最近、抜け毛が増えた気がする」「シャンプーのときに抜ける髪の毛が気になる」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、髪の毛には季節による変動があり、秋は抜け毛が増えやすい時期といわれています。
ただし、その原因は一つではなく、毛髪の成長サイクルや夏に受けた紫外線の影響、頭皮環境、生活習慣など、さまざまな要因が関係している可能性があります。
国立病院、都立病院などで形成外科医として経験を積み、2020年より自由が丘クリニックで形成外科部長・毛髪外来副主任として勤務している古山恵理医師。
約3年間アメリカで生活、現地の美容医療についても学び、2024年4月帰国し診療再開。日本専門医機構認定 形成外科専門医、日本抗加齢医学会 専門医。
秋になると、「最近、抜け毛が増えた気がする」「シャンプーのときに抜ける髪の毛が気になる」と感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、髪の毛には季節による変動があり、秋は抜け毛が増えやすい時期といわれています。
ただし、その原因は一つではなく、毛髪の成長サイクルや夏に受けた紫外線の影響、頭皮環境、生活習慣など、さまざまな要因が関係している可能性があります。
健康な方でも、髪の毛は通常1日に50〜100本程度、自然に抜け落ちています。
犬や猫などの動物には、季節に合わせて毛が生え替わる「換毛期」がありますが、人間にはそれほど明確な換毛期はありません。
しかし、人間の毛髪にも季節による変動があることが、研究によって報告されています。
秋の抜け毛は通常の1.5〜2倍になるといわれることもありますが、必ずしもすべての方に当てはまるわけではありません。
季節による変動には個人差があり、普段より抜け毛が多く感じられる場合もあります。
髪の毛には、「成長期」「退行期」「休止期」という成長サイクルがあります。
成長期 毛髪が成長し、長く伸びていく時期
退行期 毛髪の成長が止まり、毛根が縮小していく時期
休止期 毛髪の成長が休止し、やがて抜け落ちる時期
こうしたサイクルを繰り返すことで、髪の毛は自然に生え替わっています。
特に夏は、休止期に入る毛髪の割合が増える傾向があり、その後、秋に抜け毛が増えると考えられています。また、春にも比較的小さな抜け毛のピークがみられることがあります。
このように、秋の抜け毛には、ヘアサイクルの季節的な変化が関係していると考えられています。
秋の抜け毛には、ヘアサイクルだけでなく、夏の強い紫外線や頭皮環境の変化なども影響している可能性があります。
紫外線は髪の毛だけでなく、頭皮にもダメージを与えます。実験研究では、紫外線が毛髪をつくる毛包の細胞に影響し、毛髪が成長期から退行期へ移行することを促す可能性も示されています。
そのため、夏に受けた紫外線の影響が、時間をおいて秋の抜け毛に関係している可能性があります。
ただし、紫外線が秋の抜け毛の直接的な原因であると断定できるわけではありません。
頭皮は皮脂腺や汗腺が多く、毛髪に覆われているため、汗や皮脂、古い角質などが残りやすい部位です。
特に夏は汗や皮脂の分泌が増え、頭皮が蒸れやすくなります。また、皮脂が紫外線などの影響で酸化すると、皮膚への刺激となることがあります。
こうした頭皮環境の変化によって、かゆみや赤み、湿疹などのトラブルが起こることがあります。
ただし、汗や皮脂そのものが直接抜け毛を増やすわけではありません。頭皮に炎症などのトラブルが生じていないかを確認することが大切です。
夏の暑さによる睡眠不足や食欲低下、疲労などが続くことも、毛髪の健康に影響する可能性があります。
また、秋は朝晩の寒暖差が大きく、体調を崩しやすい季節です。強い身体的ストレスや栄養不足などが続くと、抜け毛が増えることもあります。
季節の変わり目こそ、十分な睡眠やバランスのよい食事を心がけ、体調を整えることが重要です。
健やかな髪を保つためには、毎日のヘアケアも大切です。
シャンプーで意識したいのは、頭皮を清潔に保ちながら、必要以上に刺激を与えないこと。洗い方や乾かし方を見直してみましょう。
髪を濡らす前に軽くブラッシングし、髪のもつれを解きながら、表面のほこりなどを落とします。
無理に引っ張ると髪や頭皮に負担がかかるため、優しく行いましょう。
38℃前後のぬるま湯で、頭皮と髪を十分に濡らします。
予洗いによって水溶性の汚れなどを落とすことができ、シャンプーの泡立ちもよくなります。熱いお湯は頭皮の乾燥につながるため、避けるようにしましょう。
シャンプーは手のひらで軽く泡立ててから、頭皮になじませます。
爪を立てたり、強くこすったりせず、指の腹を使って優しく洗うことが大切です。
シャンプーが頭皮に残らないよう、十分にすすぎましょう。
特に耳の後ろや襟足、生え際などは洗浄成分が残りやすいため、意識して洗い流すようにしてください。
洗髪後はタオルで優しく水分を取り、ドライヤーで乾かします。
高温の風を長時間同じ場所に当てると、髪や頭皮への負担になるため、ドライヤーを適度に動かしながら乾かしましょう。
頭皮も顔と同じ皮膚であるため、強い紫外線を浴びると日焼けによる赤みや炎症が起こることがあります。
頭皮に赤みや熱感がある場合は、まず冷たいタオルなどで優しく冷やし、刺激を与えないことが大切です。
シャンプーは低刺激のものを選び、強いマッサージや刺激の強い育毛剤などは控えましょう。
乾燥が気になる場合は、頭皮用の低刺激の保湿ローションなどを取り入れるのもよいでしょう。
また、日頃から帽子や日傘などを活用し、紫外線によるダメージを防ぐことも重要です。特に髪の分け目や頭頂部は紫外線を浴びやすいため、注意しましょう。
赤みやかゆみが長引く場合や、痛みが強い場合は、皮膚科での診察をおすすめします。
髪の毛の健康を保つためには、外側からのヘアケアだけでなく、日々の食事や生活習慣にも目を向けることが大切です。
髪の毛は主に「ケラチン」というタンパク質からできているため、十分なタンパク質の摂取が重要です。
肉、魚、卵、大豆製品などを、日々の食事にバランスよく取り入れましょう。
また、鉄や亜鉛などのミネラルも毛髪の成長に関係しています。
野菜や果物に含まれるビタミンCやビタミンEなどの栄養素も、健康的な食生活を支えるうえで大切です。
ただし、特定の食品を食べるだけで抜け毛が改善するわけではありません。
無理なダイエットや偏った食生活を避け、必要な栄養素をバランスよく摂取することを心がけましょう。
頭皮の状態はお一人おひとり異なります。
皮脂が多い方は適切な洗浄を、乾燥しやすい方は必要に応じて保湿を取り入れるなど、ご自身の頭皮環境に合ったケアを続けることが大切です。
頭皮マッサージは、リラックスを目的として優しく行うのはよいですが、強くこすったり、揉みすぎたりしないよう注意してください。
また、十分な睡眠や適度な運動など、基本的な生活習慣を整えることも、健やかな髪と頭皮を保つことにつながります。
秋の抜け毛は、一時的な季節変動による場合もあります。
しかし、抜け毛が長く続く場合や、髪の分け目が広がる、毛が細くなるなどの変化がみられる場合は、ほかの脱毛症が隠れている可能性もあります。
抜け毛の原因は、季節的な変化だけでなく、体調や栄養状態、頭皮の疾患などさまざまです。
秋だから仕方がないと決めつけず、気になる変化が続く場合は、医療機関に相談することをおすすめします。
自由が丘クリニックでは、頭皮環境を整えるケアとして「巡活ヘッドスパ」をはじめ、男性の薄毛(AGA)や女性の薄毛(FPHL)、Choi式毛植毛、頭皮注射・ダーマペン4による薄毛治療など、さまざまな治療をご用意しています。
患者さまお一人おひとりの髪や頭皮の状態、お悩みに合わせて、適切な治療をご提案いたします。
10月20日の「頭髪の日」をきっかけに、毎日のヘアケアや生活習慣を見直し、ご自身の髪と頭皮の健康について考えてみてはいかがでしょうか。
形成外科部長 / 毛髪外来副主任
日本専門医機構認定 形成外科専門医
Eri Furuyama
国立病院などで経験を積み、確かな技術力と親しみやすさで、患者さまのお悩みに寄り添う形成外科専門医。ヒアルロン酸・ボトックス注射、レーザー、薄毛治療を主に担当。
また、女性医師ならではの視点を活かした医療機器による痩身治療も得意としている。
ヒアルロン酸注入治療安全マニュアル 改訂第2版
使用する材料と準備、注入の実際
(克誠堂出版 2024年)
別冊PEPARS 美容外科専門医のための基礎知識と標準手技
ヒアルロン酸製剤注入治療
(全日本病院出版会 2025年)
美容皮膚医学BEAUTY 第44号Vol.6 No.1
ボツリヌストキシン治療のトラブル予防1
(医学出版 2022年)
最新美容皮膚科学大系4巻 しわ・たるみの治療
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(中山書店 2023年)
※当院は予約制となっております。
必ずご予約のうえご来院ください。
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