夢の医療として注目を集める再生医療は、日本でも法律が整備され様々な形で応用され始めています。第37回美容皮膚科学会の教育講演では自由が丘クリニックの古山登隆ドクターが、美容医療領域で再生医療が活用されている現状と、今後どのように発展していくのかを講演しました。
京都大学の山中伸弥教授が世界で初めて作製に成功し、2012年にノーベル賞を受賞したiPS細胞の登場で、再生医療の研究に関する情報を目にする機会も多くなりました。
再生医療とは細胞を体内に移植・移入し、傷ついた臓器や組織を回復させる医療です。今後、研究がより進み、安定的な治療が可能になれば、まさに夢の医療が実現するといっても過言ではないでしょう。
再生医療には法律に縛られるものと縛られないものがあります。
法律に縛られるのは細胞そのものを使った治療です。2014年に厚生労働省が「再生医療の推進と安全性確保等に関する法律」を施行。再生医療を行う医療機関を届け出制とし、第1種、第2種、第3種とカテゴリーが設けられました。
このような再生医療は、美容外科や整形外科、歯科では既に実用化されています。その中でも法律の第3種に分類される『PRP』による治療が多く行われています。
PRPは多血小板血漿といわれるもので、ご自身の血液から細胞の成長を助ける血小板を取り出し、濃縮した血漿を再度注入することによって組織再生を促します。歯科では歯周病で失われた組織を再生したりする治療に使われます。
また、整形外科では、テニス・野球・陸上・バスケットボールなどのプロスポーツ選手の多くがPRP療法を選択しています。肉離れや骨折などの早期治癒や、肩や腰の慢性的な痛みにも効果的とされているためです。
その他に変形性膝関節症などの慢性化した痛みの治療にも行われています。いずれも重篤な副作用もほとんどなく、身体本来の自然治癒力を回復させる効果が期待されています。
美容医療ではPRPの注入によって肌をツルツルにしたり、シワや目元のくぼみ改善の治療などに使われはじめています。
自由が丘クリニックでは高濃度W-PRP療法という血小板に加えて白血球も注入する、より肌の若返り効果の高い治療を行っております。
もう一つ法律に縛られない再生医療として、細胞そのものを使用しない手法があります。代表的なものが、細胞を培養した後に残る『ヒト幹細胞培養上清液』を使ったものです。細胞を培養する際に放出される様々な成長因子が豊富に含まれたヒト幹細胞培養上清液を使って治療を行います。細胞が含まれていないので、先の法律に縛られず比較的手軽に行えるので、注目度が高くなっています。
ヒト幹細胞培養上清液は線維芽細胞を活性化させコラーゲンの増生を促す効果が報告されています。やはりPRPと同様に肌質やシワの改善に効果が期待されています。
自由が丘クリニックではたるみ治療のマトリックスリフト®や、肌質改善治療のダーマペン4でヒト幹細胞培養上清液を使用しております。
自由が丘クリニックでは、2007年からPRPを中心とした再生医療の治療・研究に注力しており、さらに近年は幹細胞培養上清液を使用した治療・研究も行っています。
このような実績により、2019年7月27日から熊本で開催された「第37回日本美容皮膚科学科学術集会」の教育講演において、古山登隆ドクターが再生医療の講演と座長を務め、再生医療の歴史から今後の応用や産業化、課題等の最新の発表が行われました。
再生医療は、これから研究がますます進み、医療はもとより化粧品等の様々な分野で革新を起こしていくことは間違いありません。自由が丘クリニックでもより効果的で満足度の高い治療が行える分野として、研鑽を重ねていきます。
自由が丘クリニックは、以下の施術で再生医療を活用しております。
◎ PRPを用いた施術
自由が丘クリニックは、日本美容外科医師会認定再生医療等委員会より、PRP療法の承認を得た医療機関です。
◎ ヒト幹細胞培養上清液を用いた施術