美容医療とは「幸福になれる医療」
近藤
よく読者の方に聞かれるのが、「美容外科と一般的な外科や形成外科との違い」。どう違うのでしょうか。
兵頭
外科の中には消化器外科とか口腔外科とかいくつもの専門がありますが、形成外科もその一つです。その形成外科の中で、美容に関わる医療が美容外科です。
近藤
形成外科の高い医療技術を使って、容姿を整えるのが美容外科というわけですね。
兵頭
どちらも目に見える部分を治療対象にしているのが特徴です。たとえば、一般の外科では病根を取り除くのがゴールですが、形成外科はメスを入れる前の状態に戻すのがゴール。治療の跡も残さないのが理想なんです。
以前、怪我の傷跡が気になって塞ぎ込んでいらした方が、傷跡をきれいに治療したら、明るくなって元どおりの生活に戻ることができた、ということがありました。
兵頭
そうですね。その経験が、美容外科での私のベースになっています。
近藤
外見の悩みを改善して、幸せで明るい生活を手に入れるための医療なのですね。
豊富な治療経験をベースにひとりひとりに合ったたるみ治療
兵頭
自由が丘クリニックでは、主にたるみの治療を担当しています。たるみというのは顔のほぼ全体と関わってくるのです。
近藤
肌の弾力やハリが低下して、たるんでくるのではないのですか?
兵頭
もちろん、それらも要因ですが、年齢を重ねると骨の量も減って、顔のカタチそのものが変わってくるということもあります。
近藤
骨格の状態にまで踏み込んで診断していただけるのは、外科医として経験を積んでこられたから?
兵頭
顔を表面の皮膚だけで診るのではなく、立体として捉えるのは、実際に手術で内部を診てきたことが大きいと思います。
構造を考えながら治療にあたれるのも、形成外科の経験が強みになっていますね。
近藤
骨が減るというと膝の軟骨のイメージですが、頭蓋骨も減るのですね。
兵頭
原因も状態も人それぞれです。「知人がある治療法ですごくよくなったので、自分も同じ方法で」というご要望も多いのですが、その方には効果が出にくいこともあります。ですから、ベストの治療法をご提案して、時間をかけてご説明しています。
たるみでお悩みの方は、ご相談いただければと思います。
先進の技術を駆使して自然で負担のない成果を
兵頭
年齢層は広くて、20代後半から。若い方だと、目元の小ジワやゆるみによるクマなどを、たるみと捉えて治療したいということがありますね。
近藤
若い頃は太っていて、そのとき皮膚が伸びてしまったせいで、年齢を重ねるとともにたるみが目立つという話をよく聞きます。
兵頭
例えば20代の時にダイエットをして、30代で皮膚がたるんだと来院されたとすると、ダイエットの影響だけでなく、5年、10年の年齢による変化も加わっています
兵頭
やりがいがあります。ただ誰もが20代の頃のハリを取り戻せればいいわけではないと思います。腫れたり日常生活に戻るのに時間がかかりすぎるのも、避けたいですね。
近藤
現在は、光治療や超音波などの負担の少ない治療法も増えていますね。
兵頭
痛みや身体への負担が少ない治療法が流行っている傾向にありますね。
それから今も大学院で再生医療の研究を続けているのですが、美容にもその技術の応用がされています。自分の肌細胞を取り出し培養して、また戻す。そうすることで肌細胞を活性化させて、肌を若返らせる
真皮線維芽細胞療法という方法もあります。
自身の細胞なので安全ですし、自由が丘クリニックで実際に行っています。
兵頭
肌のくすみや毛穴の開き、小ジワなど、肌のお悩み改善に適しています。効果を実感しやすいし、普段の生活に支障が出ることもありません。
兵頭
まさに日進月歩ですから、これからもいろいろな新しい手法が出てくると思います。ただ、新しければよいということではなく、安全に行える治療であることが、どの時代にも最優先されることは変わりがないと思います。