兵頭徹也医師インタビュー

美容医療にまつわるコラム解説
2022.05.12

「人生100年時代」と言われるほど、平均寿命が伸び続けている現代。美容医療の世界も、若さや健康を求めるニーズの高まりから、より幅広い年代が利用するようになるでしょう。今回は、美容・医療ジャーナリストの海野由利子さんが、未来の美容医療を担うドクターの一人である兵頭徹也副院長に話を伺いました。



形成外科に進んだきっかけ

海野
兵頭先生は手術も照射治療も手がける『オールラウンダー』ですね。形成外科医を目指された経緯はあるのでしょうか?
兵頭
はい。医師免許取得後、2年間の研修を臨床現場で実践的な勉強をしたいと考えて、沖縄の総合病院に行きました。
内科、外科、麻酔科、小児科、精神科などで基本的なことはひと通り学び、その中で、特に外科が面白いなと感じました。
きっかけは私の傷の縫合(縫い方)が細やかで丁寧過ぎると指摘され、そこで自分は細かい作業が求められる外科が向いていると気づきました。その外科の中でも、全身を診たいと思い、形成外科を選択しました。
海野
臨床経験はご自身の「特性」や「向き不向き」に気づく期間でもあるんですね。その後、東京の大学病院に移られましたが。
兵頭
形成外科の経験を積みたいと考え、当時の沖縄では大きな形成外科がなかったので北里大学形成外科の医局に入りました。
海野
北里大学は美容外科の設立も早かったですね。
兵頭
ええ。形成外科の一分野として美容外科がありました。形成外科はケガや熱傷(やけど)の治療も担当しますし、救急センターに所属していた時期には重篤な救急患者の緊急手術も行いました。
海野
早く正確な判断が必要な現場ですね。形成外科は傷跡が残らない自然な見た目の治療を重視するので、そういう経験は美容医療でも重要ですね。
兵頭
はい。美容分野でも解剖の知識と経験があることが大前提です。血管や神経の位置なども皆違うので、見た目だけでは予測しきれないです。


得意な治療

海野
美容医療は繊細な治療が要求されますが、兵頭先生の得意な治療を教えてください。
兵頭
力を入れているのは『たるみ治療』です。
主にはヒアルロン酸注入高濃度W-PRP療法などの注入療法、メスを使わない糸リフト、メスを使うフェイスリフト手術、そしてウルセラウルトラセルなどのハイフ(HIFU)照射です。
たるみは治療法が多く、それらを組み合わせた多彩なメニューが自由が丘クリニックにはあるので、症状やご希望に合わせた提案もしやすいですね。
海野
今はネットで治療法を調べて「これを」とリクエストする方も多いのでは?
兵頭
そうですね。
ご希望は尊重しつつ、たるみに関しては原因が複数あるので診断を丁寧に行います。加えるほうがいい治療もあったり、たるみ治療の前に毛穴治療をして引き締めておくとか、エステで肌の調子を整えてから照射治療をするとか、幅広い提案ができます。
海野
その人に合った提案をするためには、丁寧な診察とカウンセリングが必要ですよね。
兵頭
そう心がけています。
優れた治療法でもエイジングを止めることはできないので、一度の治療で悩みが一生解決するわけではないです。痛みや費用も含めて、挫折せず続けていける治療法を考えてご提案しています。
海野
幅広い世代が利用するようになった美容医療のこれからについてどうお考えですか?
兵頭
自由が丘クリニックが現在行っているのは、見た目の美しさ、心身のアンチエイジング、そして健康寿命を伸ばすということです。
人生100年時代を迎えて大切なのは健康です。エイジングや病気に対する予防的なアプローチや治療は、年齢に関係なく提案できると考えています。
形成外科分野では、再生医療の研究を深めて実践をして、たとえば手術の傷を目立たないように、手術痕のリカバリーとか、きれいに治すことを進めていきたいと思っています。
再生医療の研究は北里大学で続けていまして、治療として始まっているものもあります。
海野
新しい治療法が増えていく時代ですね。そこに兵頭先生が関わっておられるとのことで、ますます楽しみです。
兵頭
5年、10年後の変化を見据えて、状態や年齢に応じた治療のアドバイスもできるようにこれからも心がけていきます。


休日の過ごし方

海野
兵頭先生は、3人のお子さんのパパでいらっしゃるんですね。
兵頭
はい。1番上が小学校に入ったばかり、その下が幼稚園の年長さんと1歳です。
海野
ご多忙だと思いますが、休日はどう過ごされていますか?
兵頭
大学で再生医療の研究も続けているので休日は少なめですが、月に何回か、子供たちの休みに合わせて家族と過ごしてます。
海野
お子さんたちはまだ、家族で遊びたい年代ですもんね。
兵頭
そうですね。そのうちお友達優先になって家族一緒に出掛けることも減ってくるでしょうから、今のうち、と思ってます。プライベート時間はほとんど家族との時間に充ててますが、ここ2年はコロナ禍のため行動が難しかったですね。外にも出してあげられなかったりで、それが辛いですね。
海野
おうち遊びが増えますよね。先生は家のことはされるんですか?
兵頭
子どもが3人だと母親1人ではなかなか大変ですから、できる時間にできることをするように心がけてます。料理は簡単な“男子料理”のようなものとか、朝食を作ることはあります。


これからの美容医療

海野
歴史あるクリニックですが、患者さんはどの世代の方が多いですか?
兵頭
20代〜50代の方を中心に、男女問わず幅広い世代の方がお見えです。
海野
2世代、3世代で受診される方も多いと聞いています。
兵頭
はい。長年通っていただいているお母様が、娘や息子さんを連れてくることもあります。
若い方でも、出産後にたるみが気になり始めたとか、目の下のクマが消えなくなったとか、法令線が目立ってきたとか、今までとは違う変化が「なんとなく」気になると。
そういう状態だと、対策、予防などについてのお話しがしやすいです。
海野
具体的な変化が現れる前の、早いうちに相談しても良いんですね。
兵頭
はい。
予防的な観点からのご提案やアドバイスもできます。受診のタイミングは「若さをキープしたい」という方もいれば、「子育てが終わった」とか「たるみがはっきりしてきたから」とか、みなさまそれぞれです。
海野
今後の展望や、やりたいと思われていることは?
兵頭
そうですね、最先端の医療に積極的に取り組んでいきたいです。
海野
先生が研究している再生医療も美容医療で行われていますね。
兵頭
はい。自由が丘クリニックでも再生医療等委員会による承認を得て、高濃度W-PRP療法と、真皮線維芽細胞療法を行っています。
再生医療は一般の方が聞いても夢のある話が多いですよね。それを実践しながらノウハウを蓄積していきたいと考えています。新しいからと飛びつくのではなくて安全性をきちんと見極めながら。
海野
最先端の医療は魅力的ですが、美容分野では特に安全性の検証がされてこそですね。
兵頭
効果と数年後の予後がわかってないものは、慎重に判断したいと思ってます。治療機器も違った理論のものが出てきますから、きちんと見ていきたいです。また、ホームケアなどで気軽に使えるものとか、次の治療までの期間に安全に使えるようなものをもっと提示できたら、と考えてます。
海野
兵頭先生は研修医のころから美容医療に触れ、早くから多くの科でさまざまな経験を積んでこられた形成外科専門医。エステから美容外科まで幅広く豊富なメニューがあり「健康寿命を延ばす」ことを理念に掲げる自由が丘クリニックでの今後のご活動、ご活躍を楽しみにしてます。
兵頭
ありがとうございます。夢だったことが当たり前になっていく美容や予防の医療を進める力になれるよう、研究と実践を積み重ねていきます。


兵頭徹也
兵頭徹也

自由が丘クリニック 副院長。
千葉市の自由が丘クリニックソフィア 院長。
穏やかな雰囲気と丁寧な診察が評判。手術からレーザー治療までこなすマルチドクター。診察の他に、大学院で再生医療の研究も行っており、美容医療の新たな道筋をつくるべく邁進している。形成外科専門医。
<SNS>
Instagram @jc_hyodo
Twitter @jc_hyodo
Facebook @jchyodo

海野由利子
海野 由利子

出版社の女性誌編集部でファッションと美容を担当したのち89年に独立。美容の分野で医療機関や医師にも取材範囲を広げ、99年からは美容医療の取材を体験を含めて続けている。
抗加齢医学会会員/加齢画像研究会会員

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