顎変形症に対する外科的矯正手術(1)

中北信昭総院長

顎変形症の治療として、保険適応による手術や歯列矯正を受ける方が多いと思われますが、外見が十分に改善されず、自費による手術を受け直したいと当院に相談に来られるケースも多くあります。再度治療を行うことは時間的、精神的な負担も大きいため、そうならないよう、はじめの段階で治療方法をよく検討することが必要です。

顔面輪郭形成術と外科的矯正手術の違い

顔面骨格形成術には、いわゆる輪郭形成術とは異なる「外科的矯正術」があります。まず、これらがどう違うのかを解説します。

◎ 顔面輪郭形成術

骨切除・骨削り・骨切り(移動)・インプラント等の手段によって骨の減量または増量を行い、外見を改善する。
咬合(歯の噛み合わせ)の変更は伴わない。
対象:下顎骨、頬骨、前頭骨



◎ 外科的矯正手術

骨切りによって下顎骨または上顎骨、あるいはその両者の位置を移動するとともに、咬合や咬合平面の傾斜を変化させ、機能および外見を改善する。通常は術前・術後の歯列矯正も必要となる。
(ただし現在の噛み合わせを維持したまま上下顎を一体に移動することもあり、その場合は手術前後の歯科矯正は必要ない)

理想的な外見を獲得するためには、輪郭形成術も同時に行うことが望ましい。


健康保険による外科的矯正手術と、自費による手術の違い

元々噛み合わせに問題があって、咬合改善を目的とする外科的矯正手術を行う場合には保険適応があり、大学病院などの口腔外科や形成外科で実施されています。

しかし、この保険で行う外科的矯正手術は咬合(機能)優先となり、より美しい外見を得るための術式を追求することはありません。

これに対し美容外科では、咬合(機能)のみならず外見をより理想に近づけるための術式を提案・実施しています。全額自費になりますが、結果的には機能面と整容面の両者の改善を、高い次元で満たすことが可能となるのです。


歯列矯正を終了したものの、外見に不満が残る場合

元々外見(輪郭)にコンプレックスをお持ちの方が噛み合わせも良くないため、歯の矯正を受ければ外見も改善するのではないかと期待をされることがあります。しかし、数年をかけて歯列矯正を受けた結果、外見的な悩みはほとんど解消されなかったというケースは少なくありません。

このような患者様は元々「顎変形症」を伴っていて、歯列矯正だけではなく顎の骨を移動する(骨切り手術)必要があったにもかかわらず、医師からはそういった説明・提案がなされないまま矯正治療が漫然と行われたということが実に多いのです。

個々の患者様のお悩みが、歯科矯正だけで十分改善されるのか、骨切り手術(顎骨の移動)を併用しないと解決できないのか、治療に入る前に的確に診断することが非常に大切なのです。

形成外科・美容外科 / 総院長 / 医学博士
中北 信昭
保険で治療をしたが、満足いく結果を得られずに、相談に来られる患者様が多くいらっしゃいます。矯正期間も含めると、治療には長い時間がかかるだけに、はじめの段階で治療方法をよく検討する必要があります。

改めて歯列矯正をやり直すケースも

歯科矯正治療が終了したけれども外見(輪郭)に不満が残ってしまった場合、これを解決するのは簡単ではありません。

いわゆる輪郭形成手術を追加するだけで対応できる場合もありますが、理想的なバランスの骨格を手に入れるには顎骨を骨切りして移動する必要があります。

しかし歯列矯正がすでに終了している場合、顎骨の移動によって再び咬合が合わなくなってしまうため、今度は骨切り手術で顎を移動した際にきれいに噛み合うよう、改めて歯列矯正をやり直す必要もあります(術前歯科矯正)。

形成外科・美容外科 / 総院長 / 医学博士
中北 信昭
過去に受けてきた歯列矯正治療が全て無駄になってしまうことになるのですが、結果として得られるものは大きく、治療の意義は十分にあると考えています。

症例

理想的な輪郭を獲得するために、美容外科医と口腔外科医が連携をして、歯列矯正をやり直した上で、骨切り手術を行った一例を紹介します。

初診時:受け口(下顎前突)の状態。歯科矯正が終了していて咬合は合っているが、下顎の歯を無理に内側(舌側)に倒して合わせてある。



術前矯正:手術に向けて改めて術前矯正を行った状態。受け口は一時的に悪化し、噛み合わせが反対咬合になっているが、これで術前準備完了。



術後:下顎骨の矢状(しじょう)分割骨切り術とおとがい骨切り中抜き短縮術を行った術後。外見(輪郭)が著明に改善し、歯軸の傾きも正常になっている。


チーム医療の重要性


顔の輪郭にお悩みのある方に対し、いわゆる輪郭形成手術だけで十分良い結果が得られることもありますが、特に口元にも気になる要素がある場合には(口元が出ている、受け口、ガミースマイル、噛み合わせが悪いなど)、上顎前突または後退、下顎前突または後退などの「顎変形症」を伴っていないかどうかを的確に診断することが大切です。

自由が丘クリニックでは、美容外科(形成外科)、歯科口腔外科、矯正歯科がチームを組んで、輪郭や口元のお悩みに対してまず各専門の立場からの診断・評価を行い、実際の手術、術後のケアに至るまで常に一丸となって取り組んでおります。




当院では、顎骨骨切り手術を美容外科医と口腔外科医が常にペアを組んで行い、さらに術前・術後の矯正治療を担当している矯正歯科医も必要に応じて手術に立ち会い、術中の咬合をチェックしています。ここまで密接なチーム医療を実践しているのは全国的でも稀と思われます。

本来外科的矯正手術の基礎は口腔外科の領域であり、歯の専門知識を基に安全性の高い手術が行われてきました。一方形成外科を基本とした美容外科は、美しさに拘った輪郭形成術を得意としており、両者が手を組んで手術を実施することにより、機能的にも整容的にも高いレベルで患者様のご要望に応えることができると考えています。

さらに、骨格の手術を終えた後には、皮膚や脂肪などのいわゆる軟部組織に弛みや歪みを生じることもあり、美容外科ではこのような問題にも引き続き対応可能で、全てが完結するまで一貫した治療を提供することができます。

次のページでは、私たち美容外科医と口腔外科医のコラボレーションによる治療例を紹介します。




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